俄か雨

しがないバンギャルのたわごと

着券率が低そうなライブに行ったので考察してはみたけどよく分からなかった話

最近はめっきり謎現場ばかりが増えている私です。
さて、過去にこういうブログ
cnmn1218.hatenablog.com
を書いたのですが、この中で「実際どんなもんなのかは正直計算してる人を見たことないのでわからん」と書きました。ですが、この間行ったライブが久々にこれ興行として大丈夫なの?レベルに着券率の低そうなライブで、かつある程度の数字が集められたのでざっくり着券率を計算してみました。
界隈が今どこもこんなもんだとまでは言いませんが、こういう状況が起こるイベントはそれなりにあるんじゃないかな。

前提として、業界のナカノヒト的に着券率の算出について細かい計算式などがあるのかはわかりませんが、ここではごくごく単純に「売れたチケットの枚数に対してもぎられた(実際にハコに来た)枚数」として計算しています。

ライブ自体の条件としてはこんなかんじ。
日時は月初の平日、ハコは都内。キャパ250とか300と言われているところなのですが、そんなに入る印象がないのは私が行くときいつも後方を物販で潰しているからだろうか…。
その箱で手持ちのチケットが180番くらい、チケ発の出足にしくじったので開き直って普通に買ったらそのくらいでした。それが出てる番号のほぼ最後。私の後ろにいた人数が片手かそこらくらいでした。なのでどんなに多く見積もっても出てる番号は190くらいまででしょう。とりあえず、きりのいい数字にするために190と仮定します。

7/27追記:ツイッターに記事を貼ったらツッコミが入ったので補足。
チケ発は一般一発でPG一か所のみ、箱売りや手売りのチケットもなかった筈なので並列入場やAチケットBチケットなどの入場順はなかったです。事前に告知されてたのも前売りチケットの次が当日券としかなかったはずだし。なので自分の手持ちチケットと入場時の状況から推測した数字を概ね出た枚数と仮定して良いだろうと思って使いました。
あと当日券についていつ販売されてたか記憶はないけど、私が入る段階では当券の入場列もなければ購入待ちの人もいなかったです。のでその後当券で入った人を考慮に入れるとしても片手で足るかなあと思います。
遅刻の人に関しては確かにどうやって考慮したらいいかわかんないんですが、対バンではないので目当ての目安の時間を狙って客が増えるタイプの興行でもなかったことと、終演後の感じではそんなに人増えた感じはなかったので調整するとしてもこれも片手で足るのではないかなと…。そうするとトータルしても10増えるくらいなんで80か(この場合はけたチケットは195枚)、各々を10ずつと多めにとったとしても90(この場合はけたのは200)程度ですかね…。

で、入場。
序盤の番号はまあそれなりに人がいるのですが、30とか40番代から結構雲行きが怪しい感じに…。60番から80番代がごっそり抜けていたのか、呼び出されても誰も入って行かなかったのがあまりに印象的でした。100番を超えると、101番から110番、などと10人単位で呼び出されても入っていくのは1人2人だったりもして。
最終的にスタッフさんが68、と言ってたのがちらりと聞こえて気になったのでフロアでなんとなく数えてみましたが、カウント間違いなのか関係者やスタッフさんが頭数に入っていたのか人数自体はもう少し多かったです。でも入場時に入って行った人数を記憶の限りで算出して足し合わせたら大体そのくらいになるので、もぎった半券の数はきっと68枚程度だったのだろうなと思います。ので今回はきりよく70としておきます。フロアもまあゆとりがありましたね…。界隈では開演前/対バンイベントの転換中の座り込みが最近非常に多いのですが(あまりマイナーに行かないオバンギャ層はそれに遭遇すると盛大に眉をひそめる)(まああまり行儀のいいものではないですね)、全員座っても余裕がある感じでした。もはや壁際以外で立っている方が浮くレベルなので郷に入りては郷に従うべく私もフロアに座って開演を待ちました。所謂ナイスピクニックというやつ。

ライブ自体の感想はここでは問題ではないのでさておき、とりあえず必要そうな数字が出揃ったので着券率を計算してみます。190枚売れたうち70人が来ました、となると70/190で0.368…となるので概ね3割7分。
…まさかの4割切ってる事案。軽い気持ちで算出してみましたが予想以上にヤバい感じの数値が出てちょっとビビっていますが続けます。
とりあえず190枚全員来れば250~300人の6割強~7割程度。着券率の話をするときによく聞くのが「大体売れたチケット数のうち1割の人は何らかの事情で来ない」という言説なのですが、その説に則り1割が来なかったとしても170人くらい。半分強~6割強ですが平日だったりその他の要因を考慮すればまあまあの数だと思います。 でも半券の実数が70だとして、逆算すると通常の着券率だとしたら来ようとする意思のある人間は78人程度しかいないはずの興行であったわけで…。となると、今回はちょっと特殊な条件なのですが、今後同様な条件の興行をまた打った場合に見込める実動員数は今借りている箱のキャパの2~3割程度、どんなに多く見積もっても1/3程度ということになります。
…これ、興行的にそもそもどうなんだろうというか、動員に見合った箱の選択なんだろうか。まあ箱の選択肢っていま非常に少ないですけども。

じゃあ実際こういう問題があったときに誰が困るのか。映画館の話だと、チケットの売り上げのうち着券率を計算して配給会社と映画館とで売り上げを按分するような話を見かけたので、着券率の低さは割と死活問題ぽいのですが、音楽業界だとどうなんだろう。
番号は発券しないとわからない形式だったはずなので、番号確認のためにひととおり発券はしてるはず、となると一応190枚分のチケ代自体はプレイガイドから興行主に入ってはいるはずなんですよね。そこから箱のレンタル料だとかメンバーやサポートメンバーやスタッフのギャラとかチェキのフィルム代とかまあそういった経費の支払いをする。んだと思います。その辺のタイミングは私には不明ですが。なので多分興行主サイドにしてみれば、見かけ上枚数が出ていれば短期的には問題がないのでしょう。着券率ガー転売ガーという話が良く聞こえてくる割には主催者になる側の人々がチケットの販売形態について手を入れたがらなそうなのも、今の販売方式で自分たちとしては問題がないからなのかな、と推測します。多分着券率の低い興行ばかりをやっていると割を食うのは箱側なのかも。単にドリンク代だけでも、チケットの売り上げ枚数190枚の約9割として500*170=85,000の売り上げが予測されていたところ実数ベースだと500*70=35,000にしかならないわけで。飲み物なので仕入れ値は下げようと思えば結構下げられそうですが、実入り自体が悪ければその辺でどれだけ企業努力をしても高が知れているというか。

そう考えると着券率問題は、興行主と箱との関係でより問題になる点なのかもしれないと思います。貸す側にしてみれば出たチケット数に見合った人数が来るような公演の方がありがたいのでそういった演者側に優先的に貸したいとか、実動員に見合った箱を借りてくれとかいうような感情があるのかも、と推測しました。そうなってくるとそれが演者側へのプレッシャーになって演者が着券率について物申すような形になったり、穿った見方ですがいわゆるV系箱と言われる箱のスタッフさんに客に対する当たりが非常にきつい人々が多いのはそういう要因も一部にあったりするのかなとも思ったり。これについてはその他の要因の方が大きいでしょうが。バンギャルも大概民度アレだしね。後は演者側のモチベーションという話もあるかもですが、その辺は客からしたら知らんがなという話ではあるので。

考えてたらだんだんよく分からなくなってきたのでこの問題、中の人の意見を聞いてみたいですね。